もしかして紫陽花(アジサイ)は人間なんじゃないかって話

ジメジメした梅雨の楽しみのひとつに紫陽花があります。このところ街をブラついてみたりなんかしてみると、紫陽花が密になりながら人間を魅了していたりします。

あれこれ見ていて、いろいろ調べてみると、「紫陽花って人間なんじゃないか」って思ったので、久しぶりに示してみます。

紫陽花(アジサイ)ってなんだっけ

ユキノシタ科の観賞用落葉低木。ガクアジサイの改良種とされる。幹は叢生、高さ約1.5メートル。葉は広卵形で対生。初夏、球状の集散花序に4枚の萼片だけが発達した装飾花を多数つける。色は青から赤紫へ変化するところから「七変化」ともいう。花は解熱薬、葉は瘧おこりの治療薬用。(広辞苑より引用)

 

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紫陽花、日本のどこかにて筆者撮影

 

あれこれ見てみると

あれこれ見ていると「紫陽花って色がたくさんあるな」とか、「花びらの内側と外側で大きく色が違うな」とか、「場所によって色が違う傾向がありそうだな」とか、考えてしまいます。

 

いろいろ調べてみると

いろいろ調べてみると以下の点がわかってきました。

  1. たくさん色がある(白色、緑色、青色、桃色、紫色など)
  2. それぞれ花言葉が違う
  • 白色:寛容、ひたむきな愛情
  • 緑色:ひたむきな愛
  • 青色:冷淡、無情、高慢
  • 桃色:強い愛情、元気な女性
  • 紫色:辛抱強い愛情、清澄、神秘
  1. 同じ紫陽花でも、同じ年で色が変化することも、来年には全く違う色に変化することもある
  2. 変化する原因は、「土壌の性質」や「老化」など

 

なんだそうです。

 

それって人間と同じじゃないか

ふと思っちゃったんですよ、人間に似ているな、と。同じ生物だけれどどこか違っているし、環境(=土壌の性質)や経験など(=老化)などによって変化して行ったりする。

 

書くのが面倒になってきちゃったんで、「紫陽花=人間」ということにします。

 

しらいし

新製品・プロジェクト開発のプロセス

新製品・プロジェクトの開発は多角化戦略や新製品開発戦略などの経営戦略を策定する際にも重要な役割を果たしている。また、マーケティグの要素としての製品戦略においても、その中心的な課題に位置付けられる。

よって、本ブログでは、その一般的なプロセスを書き示しておく。

 

全体像

新製品・プロジェクト開発は、一般的には以下のようなステップで実施される。

  1. アイディアの創出
  2. スクリーニング
  3. 製品・プロジェクトの開発
  4. マーケティング戦略の検討
  5. 経済性の評価
  6. 試作モデルの開発
  7. テストマーケティング
  8. 市場導入

 

新製品・プロジェクト開発の各ステップ

アイディアの創出

新製品のアイディア創出は、自社の強みを何かに利用できないかというシーズ発想と、こんなニーズがあるか、何か解決できる方法はないものかというニーズ発想の2つに分けられる。


スクリーニング

創出したアイディアを、経営理念や事業戦略、経営資源などの多様な観点を踏まえて絞り込む。潜在性の高いアイディアを却下してしまうドロップエラーや、潜在性の低いアイディアを採用して開発を進めてしまうゴーエラーが発生しないように留意する。

 

製品コンセプトの開発

製品コンセプト自体が顧客の購買理由や市場価値であり、これを明確化する必要がある。これが不明確だと、各部門の行動に統一性がなくなってしまう。この過程と並行としてポジショニングと標的市場も明らかにする。


マーケティング戦略の検討

この段階ではコンセプトをもとに、マーケティング戦略の基本骨格を固める。


マーケティングマネジメントプロセスの実施

環境分析

環境分析では、企業の外部環境に対してその機会と脅威の分析を、また企業の内部資源に対してはその強みと弱みの分析を行う。これがSWOT分析である。

  • マクロ的外部環境(経済的、人口動態的、社会文化的、技術的、政治的、法律的、自然的)
  • ミクロ的外部環境(競争企業、利害関係集団、産業状況)
  • 内部資源分析(人的、財務的、物的、その他(情報、経営ノウハウ、技術力、社風、ブランド、知財権))

 

マーケティング目標設定>
経営目的は経営目標と経営理念から構成されるが、ここでのマーケティング目標は、経営目標としての企業全体の数値目標から導き出される。

  • 売上高目標:売上から逆算
  • 利益額・利益率目標:売上に加え、費用を考慮し逆算
  • 市場占拠率目標:目標とした市場の全需要の中で自社製品の売上高が占める割合から逆算。競合他社との競争関係によってとるべき態度(差別化戦略、低コスト、など)を考慮し決定
  • 企業・製品イメージ目標:リーダ企業を設定することが多いが、数値として把握することが難しい

 

<市場細分化>
市場の一定の規模を保ちながら、かつ同質的なニーズを持つ消費者の集団を区別していく手法
市場細分化の要件は以下の通り。

  • 測定可能性:規模と購買力が測定できるか
  • 到達可能性:どうプロモが打てて、到達できるか
  • 維持可能性:数年先まで見据えるか、市場が枯れないか
  • 差別化可能性:区分する価値があるか
  • 実行可能性:その市場で受け入れられるか

 

<市場ターゲティング>
市場を細分化したら、市場セグメントの魅力を測定する方法を開発し、標的セグメントを選択する。

  • 無差別型:細分化された市場間の差異を考慮せず、単一の製品を全ての市場に投入
  • 差別型:細分化された市場ごとにニーズに適応した商品を複数市場に対して投入
  • 集中型:細分化された市場の中から特定の市場に限定し、最適な製品を投入

 

<市場ポジショニング>
競争上の位置付けを意味し、製品間における競争の中で、いかに自社製品が競合製品と差異を図って優位にたつかを検討すること。知覚マップを制作することが多い。


マーケティングミックスの整理>
製品、価格、チャネル・物流、プロモーション、を整理する。


経済性の評価

大まかなマーケティング戦略を策定したのち、その製品事業に関する経済性を分析する。具体的には、製品の予測売上高、利益、原価などをいくつかのパターン(ベスト、ワースト)でシミュレーションを行い、採算性を検討する。


試作モデルの開発

マーケティング部門と開発部門の議論により、具体的な製品への落とし込みが始まり、試作品を物理的側面と心理的側面の両面から比較検討する。製品化が決定した場面、必要であれば特許の申請などを行う。

 

テストマーケティング

限定した実験販売を行い、最終的にデザインなど様々な製品使用を決定する。この決定は、その後行う生産数量の決定、広告、販売促進、流通経路の決定などのマーケティング活動を効率よく行うための最終調整の場でもある。テストマーケティングは、競合他社に新製品を見せるというリスクも伴う。


市場導入

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以上が一般的なプロセスである。

なお、それぞれアジャイルに検討する意思決定のあり方と自由闊達に意見を言い合える会議のあり方も重要であろうと思う。

 

しらいし

 

DXと豊かな経済、レジリエンス経営について

 

目次

  1.  DXの定義を読み解く
  2.  DXの意義を読み解く
  3.  無味無臭な経済と豊かな経済
  1. まとめ

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デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)が企業・社会活動の大きなテーマになっています。今回は日本政府から公表された各種レポートなどを読み解き、改めて、DXの意義と社会に対する影響を見直した上で、実現されるDXについて示すことができればと思っています。

  • DXは単なる業務効率化ではなく、ビジネスモデルそのものの改変を求めるものである。
  •  DXの意義は、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システム(=レガシーシステム)を「柔軟なITシステム」に変換させ、持続的、尚且つ自立的な経済のあり方を創造することにある。

DXの定義を読み解く

日本におけるDXは2018年12月、経済産業省「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」(以下、DX推進ガイドライン)を取りまとめ公表したことを契機に、議論が深まっていきました。本ガイドラインでは、DXについて以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

また、DX推進ガイドラインを取りまとめる決定打となり、2018年9月に「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」(座長:青山幹雄 南山大学 理工学部 ソフトウェア工学科教授)が取りまとめた「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(以下、DXレポート)では、 DXについて「将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変する」ものであると示されています。

このように、DXは単なる業務効率化ではなく、従来のビジネスモデルを見直し、柔軟に改変するものです。我々はそのことを正確に理解した上で、事業を展開しなければならないでしょう。


DXの意義を読み解く

DXレポートでは今度、DXが進まなければ「2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と明確に示し、これを『2025年の崖』とした。DXレポートによって日本におけるDXの必要性がまざまざと示された。これを指摘を受け、経済産業省が国家としてのDXに向けた施策を、DXガイドラインとして取りまとめています。

 

『2025年の崖』
2025年の崖とは、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失」のことを示した言葉です。

DXレポートでは、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムをレガシーシステムと呼んでいます。このレガシーシステムを2025年まで使い続けると、以下3点が発生すると警鐘を鳴らしています。

  • データを活用しきれず、DXを実現できない

2025年までに第5世代移動通信システム(5G)、あらゆるモノがつながる IoTなど大容量高速通信時代の到来とデジタル市場の急速な拡大にともない扱うデータ量が爆発的に増えることが予想されるが、あらゆる産業において、これらの新たなデジタル技術を活用してこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、デジタル・ディスラプションと呼ばれるゲームチェンジが起きつつある。日本企業において、DXが実現されなければ、国際競争力がさらに低下する。

  • 今後、維持管理費が高騰し、技術的負債が増大

日本企業のIT投資のうち8割が現行システムの維持管理に投資されている(守りのIT)。しかし、IT産業における変革の速度は早く、2025年までに老朽化した現行システムの維持管理費はより高額になりIT投資の9割が充てられると予測されている。
さらに、事業部別でカスタマイズされ複雑化した基盤システムの維持や継承が困難になるとも指摘している。

  • 保守運用者の不足等で、セキュリティリスク等が高まる

複雑化・老朽化したシステムの仕様を把握している人材がリタイアしていくため、そのメンテナンスのスキルを持つ人材が枯渇していくことが懸念される。こうした中で、若い人材を複雑化・老朽化したシステムのメンテナンスに充てようとするが、能力を活用できず、魅力のない業務であるために離職してしまうという実態もある。

このような点から、DX化がされなければ、日本経済において最大で年間12兆円の経済損失があると試算されています。

 

『検討された対策』
DXレポートでは、前途の「2025年の崖」、「DX実現シナリオ」(後述)をユーザ企業・ベンダー企業等産業界全体で共有し、政府における環境整備を含め、諸課題に対応すると言及されています。具体的には以下の対策が示されています。

  • 見える化」指標、中立的な診断スキームの構築

経営者自ら、ITシステムの現状と問題点を把握し、企業の舵取りをすることができるように、「見える化」の指標を策定すること、さらにそれらを中立的で簡易的な判断スキームで実現すること

DXを行う上での「体制のあり方」「実行プロセス」を示すガイドラインを策定すること

  • DX実現に向けたITシステム構築におけるコスト・リスク低減のための対応策

DX後のゴールイメージを共有すること、不要なシステムを廃棄し、DX前に軽量化すること、DXにおけるマイクロサービス等の活用を実証すること、協調領域における共通プラットフォームの構築(割り勘効果)すること、コネクテッド・インダストリーズ税制(2020年度まで)の制定

  • ユーザ企業・ベンダー企業間の新たな関係

システム再構築やアジャイル開発に適した契約ガイドラインを見直すこと、技術研究組合の活用を検討すること、モデル契約にトラブル後の対応としてADRの活用を促進すること

  • DX人材の育成・確保

既存システムの維持・保守業務から解放し、DX分野に人材シフトすること、アジャイル開発の実践による事業部門人材のIT人材化すること、スキル標準、講座認定制度による人材育成を実施すること

上記の対策をすることで、2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することにより、2030年実質GDP130兆円超の押上げが実現されるとの見通しを示しています。

 

無味無臭な経済と豊かな経済

DXは昨今、さまざまな産業で取り立たされ、注目を浴びています。DXとは短期的な企業内部の革新ではなく中長期的な顧客体験の向上といった外交的な取り組みであり、短期的なコスト削減ではなく中長期的な価値提供のあり方の検討である、と考えています。また、DXがなされることで、予測不能な危機に対して柔軟な対応をしつつ、組織がより創造的かつ強固にし、成長につなげる力を養うレジリエンス経営」への一歩となるでしょう。

昨今のDXに関する盛り上がりは、短期的で内向きな議論と、コスト削減が横行している気がしてなりません。また、このような歴史を鑑みず楽観視してDXが推し進められると、無味無臭、噛んでも味のしない経済になるのではないか、と危惧しています。つまり経済における「独り勝ち / 統一化」が進み、我々の精神における「短絡化 / 消費思考」が進むと考えられます。

いまこそ、「豊かな経済とはなにか」を議論した上で「レジリエンス経営とはなにか」を整理しておくべきでしょう。

 


『豊かな経済とはなにか』(長沼伸一郎『現代経済学の直観的方法』の論考から)

現在の国際経済を眺めてみると「縮退」が進んでいることが認識させられます。縮退とは「多く部分では衰退が進み、ある部分では繁栄が進むが、全体として繁栄していること」です。つまり経済に置き換えれば、富が巨大企業に集まり、中小企業は衰退することです。が、ご存知のように資本主義は常に成長しなければ成り立たないものですので、全体としてみれば成長しています。この状況では末端には資金が行き渡らずに壊死していくことになります。

実は似たようなことが人間の内部でも発生しています。それが「理想」から「欲望」への転換です。一般にこの両者は矛盾しているものであり、強く理想を保護しなければ欲望が勝つことになります。つまりケーキを食べたいという欲望には、痩せたいという理想は保護なしには勝てないのです。これもある種の縮退と言えます。

これら二つには共通点があり、それが「一般に希少性の高い状態から希少性の低い状態に移行する際にエネルギーが引き出される」という物理学でいうエントロピー増大の法則」です。多数の中小企業が存在するより数個の巨大企業が存在する経済のほうが希少性が低いため、縮退が進み、理想より欲望のほうが希少性が低いために縮退が進むことになります。その際にエネルギー(=富)が引き出されます。

しかしこれでは、前述した通り「無味無臭、噛んでも味のしない経済」に近づいていくように思えてしまいます。

 

では、本質的に豊かな経済とは何なのでしょうか。
それは、「効率化されながら個性の際立った組織・個人による経済」です。

 

DXの定義によるとその目的は「競争上の優位性を確立すること」です。これが縮退をしてしまうと「独り勝ち / 統一化」が推し進められ、目的を達成することはできません。そのために我々は「レジリエンス経営」という概念を頭の片隅に置いておかなければなりません。

 

レジリエンス経営とはなにか』

レジリエンス経営とは「予測不能な危機に対して柔軟な対応をしつつ、組織がより創造的かつ強固にし、成長につなげる力を養う経営」です。これは結果として「競争上の優位性を確立すること」であり、「効率化されながら個性の際立った組織・個人による経済」を構成するために必要なことです。

DX化の本質としてのレジリエンス経営を目指す取り組みは、戦略コンサルタント企業をはじめ推し進められています。が、大きな盲点があります。実は日本はレジリエンス経営を行う基盤が整っている国家であり、そこから学ぶ姿勢を見失っている点です。

なぜか。それは日本が老舗大国であるためです。世界の創業100年を超える企業のうち日本企業は4割を超えています。また森下(2012)によると、日本式経営を持続性(生業に専念すること)、関係性(利害関係社との良好な関係構築)、変革性(変わっていくこと)を評価しています。これはまさにレジリエンス経営と言えるのです。

「長く続く企業は伝統と革新のバランスが取れている」(曽根 秀一・静岡文化芸術大学准教授)と言われるように、老舗企業は「革新」を経てきています。江戸から明治への移り変わり、2度にわたる世界大戦など多くの荒波を耐え、今なお存在する老舗企業から学ぶべきことは多くあります。

DXはある種の「革新」に過ぎず、それらを複数回乗り越えてやっと「伝統」となります。このように「時代変革を乗り越えてきた伝統を評価することが『DX化』の推進力となり、
『DX化』により現代の情報化など変革を乗り越えることが伝統につながる」と考えています。

しかしながら、長寿企業にも縮退の魔の手が潜んでいます。それが後継者の不在です。この点を解決するために、「活力ある若者」が都市から地方へ移動する仕組みを官民で作り上げることが重要であると考えています。

「新興企業は伝統を学び、長寿企業は革新を学び、相乗効果を生み出すこと」がいままさに必要とされているのではないでしょうか。これが「効率化されながら個性の際立った組織・個人による経済」の実現のために必要なのではないでしょうか。