表現の自由について

表現の自由について議論されているので、ひとことだけ。 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が展示終了した。どういう企画展かといえば、過去に何らかの理由で展示ができなくなった作品を展示していた。どんな作品かというと、…

孤独について

あるひとに「詐欺師みたいだ」とか,違うあるひとに「悪魔だ」といわれた。あるひとには「あなたは天才だ」,あるひとには「天使だ」といわれた。 ある講演会で「不確実性の高い世の中を生きるために必要なスキル」について話したとき,それは「孤独を愛する…

表象と意志について

ひまなのでブログを書く。 ショーペンハウアーはわたしが最も好きな哲学者の一人であり、「読書について」「知性について」「自殺について」は、ある程度おおきな書店にいけば必ず置いてある。しかし、わたしが衝撃を受けた「意志と表象としての世界」はあま…

正しい行いとはなにか。

不毛とおもわれるかもしれないが、「正義」について話をしよう。 「正義」、つまり「正しい行い」のことであるが、しばしば互いの「正義」の隔たりがあって、なにか大事なものを失ったりするものだ。 すこし整理してみれば、「正義の根拠」には、3つのタイ…

「なぜわたしはここで働くか」

いま仕事がひと段落して、同僚とくだらない話をしている。いま(11時過ぎ)からランチタイムまでは、このブログを書くことに時間をつかう。 わたしはいま、3つのわらじを履いている。つまり3つの社会的な顔がある。簡単に説明申し上げたい。①駒澤大学グ…

年金制度について 190716 #しらいし雑感

年金制度について。 まず、日本の年金制度の基本的な枠組みは3つの層に分けられている。 1つ;国民年金—公的年金保険2つ;厚生年金保険—公的年金保険3つ;企業年金、確定捻出年金などー私的年金保険 1つめの「国民保険」は全国民が加入する。そして給付…

「無愛想」のすゝめ。

「無愛想」のすゝめ。 ひとの悩みのうち,そのほとんどを「人間関係」が占めているらしい。職場の同僚との関係,上司,その他の友人,恋人,家族,などなど,たしかに悩みは尽きない。 なぜなら,ひとはひととの関係性のうえにたち,成り立っているからだ。…

政治について。190713 #しらいし雑感

いよいよ参院選が近づいてきた。 わたしは自民、公明だけでなく、立憲民主、国民、維新、共産に知り合いの先生方がいる。が、いままさに忙しそうにしている。 みなのなかにも、街頭演説がうるさい、街中のワケわからん板に顔写真が張ってある、選挙関連の記…

190712 #しらいし雑感

アフリカへの投資の機運が高まる。日本政府は今年の8月末に「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」を横浜で開催する。9日に発表された、テーマは「アフリカに躍進を!ひと、技術、イノベーションで。Advancing Africa’s Development through People, Technolog…

趣意書

世界の5人に1人が貧困の中で生活している。加えて,これまでに膨大なヒト・モノ・カネが支援を求める地域につぎ込まれているにも関わらず,その貧困がなくなっていないのは悲劇である。 さらに翻って先進国と呼ばれる国家においても,経済的に豊かになる一…

ネットコンテンツの著作権について

ネット社会の急速な発展に伴い,人々の情報アクセスの可能性が無限に広げる一方で,国際的な対立をまねいた。まず我が国の著作権法を大まかに検討した上で,ネットコンテンツに関わる著作権管理(DRM等)の特性を傍観し, そのうえでコンピュータ・プログラ…

アマゾンの情報戦略と顧客目線の経営哲学

2000年から日本においてサービスを開始した「Amazon.co.jp」は,今や世界最大級の小売業として,人々のライフスタイルを大きく変革させてきた。「個人情報」については保護と活用のバランスが重要であり,日本ではその「活用」という面で意識が低く競争力が…

【宗教改革の思想と文化】「文化」と「社会」の観点から 「ルネサンスと宗教改革」の影響

2017年はルターが34歳にしてヴィッテンベルク城の教会の扉に「95カ条の論題」を貼り付け,当時の教会がバチカン・聖ペテロ大聖堂の建築にかかる費用調達のために発行した贖宥状に関して抗議を行ってから,500年の記念すべき年であった。マルティン・ルターの…

【知ってる範囲で】ケニアの歴史

過去を知ると将来がみえます。 今回は,東アフリカに位置するケニアの歴史を1)奴隷貿易時代,2)英支配の時代,3)反英独立運動時代,4)英国からの独立,5)独立後の混乱,と5つのフェーズに分類する。 15世紀からの奴隷貿易時代からの記載にとどめ…

米国の貧困と 金融アクセスの現状 - RIKU Shiraishi

かつて米国は“アメリカン・ドリーム”に象徴される機会均等のチャンスにあふれる国,中流階層が多くを占める豊かな国というイメージがあった。が,それらは幻想化して,ウォール街では1%の富裕層に対して“We are the 99%”のスローガンを掲げてデモが起こるな…

【めちゃ雑感】たのしい、とは。

文章をかこうとおもうのは、往々にして自分の外側で「なにか」が発生した場合であって、それは、たとえば、景気見通しの発表であったり、世界のどこかでひとが死んだり、現行の制度の変更であったりする。いまは、そうではなく自分の内側で「なにか」を発生…

マイクロファイナンスの日本への導入にかんする一考察

これは、少し前にかいた「Introduction of Microfinance into Japan」(http://rikus.hatenablog.com/entry/2018/12/23/233737)という文章の簡単すぎる日本語訳です。前半はケニアのかたが、日本語の勉強といって、訳してくれました。後半はわたしが移動中…

【めちゃ雑感】共生社会とはなんぞや

まえもって、いうが、酔っているし、必要な分析も検証もすっ飛ばした文章である。リアルタイムで残しておこうとおもい、ここに示す。ご指摘やご意見は署名欄にあるメールアドレスまでご連絡くだされば、なんらかのカタチで返答しようとおもう。「共生社会」…

少数者による多数者の監視→相互監視社会の形成

【少数者による多数者の監視→相互監視社会の形成】 自身の生活を省みて,思うところがあり,「IT革命がなにをもたらすか」「ひとによるひとの支配とコントロール」,以上の2点について,ラフにまとめてみようと思う。 たとえば,パソコンやスマートフォンは…

ビジネスの失敗を人生の教訓へ

失敗談をここに綴ろう。たとえば,なにか事業を始めるとしよう。わたしの場合はケニアでの農業関連の事業であり,現地滞在時から制度設計と人員選考などを精力的に行っていたつもりだ。そして資金を必死にためてプロジェクトを正式に事業として立ち上げると…

結核は古く新しい病である。RIKU Shiraishi

結核は古く新しい病である。過去に日本では年間の結核罹患数が100万人以上、死亡数も10万人を超えることもあり、長らく日本人の死亡原因のトップで、「国民病」と呼ばれていた時代がある。世界中では、いまなお、1日で4000人が結核で命を落としている。昨年…

【めちゃ雑感】精神的な自立とその創造

いつも講演会で問いかける質問がある。それは「りんごを隣のひとに分け与えるのは正しいか」というものだ。ほとんどのひとは「正しい」という。 そのうえで、「その隣のひとはりんごを隠し持っていた場合」 「 他人が「このひとはりんごを持っていない」と公…

【めちゃ雑感】ひとのモチベート

ひとをモチベートして、動かしつづけるのは根気がいる。まさに戦略だとおもっている。 権利の譲渡とインセンティブ(給与や正当な評価)、業務上の責任など、複雑に絡まりあう、ひとの心理状況の読み取りが重要。東京オフィスがケニア人スタッフを激しく管理…

情報化におけるリテラシーについて

情報が経済・社会において支配的な役割を果たすようになった情報化社会は,情報が物質やエネルギー以上の資源とみなされ,その価値を中心に機能・発展する。そのような社会において,我々はそのような情報をどのように収集し,処理し,加工し,他者に提供し…

簡単な「経歴」など

このところ,所属団体を抜けたせいか,直接ひととお会いするよりメールなどで問合せをいただくことが多くなってきました。直接話すとなると,ベラベラと「経歴」を話せるのですが,文面となると,そうはいきません。そのために(今後,紹介していただくよう…

Introduction of Microfinance into Japan

Introduction of Microfinance into Japan RIKU Shiraishi Today, a significant number of the world’s population are living on less than US$2 a day. Their dignities that all people should have are trampled down and even the opportunities of re…

死に至る病とは絶望のことである。

『死に至る病』(1849年)は,デンマークの哲学者,キルケゴール(Søren Aabye Kierkegaard 1813-1855)によって書かれた本である。 私がここに記すのは,「実存主義」の創始者としてのキルケゴールではなく,絶望の暗黒面を心理学的に掘り下げ,人間という…

自己神格化と神の勃興

近現代という時代はどんなもんだったか,神が失脚し、人間が神になった時代だった。 神が定めた普遍的なルールが崩壊して,失敗し,新たなルールを策定させていった自由気ままな時代だった。少なくとも権力者にとっては。【普遍的な神の失脚】 時代区分の定…

ボランティアとはなにか

東京2020に向けて、ボランティアを数十万人単位で募集しているときいた。 私自身、ボランティア活動をしてきて、現地のボランティアを募りともに活動した。 後には、仕事として80名のボランティアを指揮し、100名の追加ボランティアメンバーを選定…

文化はいかにして変わるのか -文化変容と硬直する日本社会  

新しいグローバル文化の特徴のひとつは中産階級の拡大である。その背景にはフランスの社会学者P・ブルデュー(1930-2002)によって提唱された文化資本(Cultural Capital)という考え方がある。つまり各家庭が持つ文化的能力や文化的財が合わさったものであ…